「口笛はなぜ遠くまで聞こえるの あの雲はなぜ私を待ってるの」
あの雲がなぜ待っているかはわかりません。
気のせいでしょう。
今回問題なのは,「口笛はなぜ遠くまで聞こえるの」かです。
世界で一番上手に口笛を吹ける人の音は非常に美しく,マイクなしでも会場に響き渡るそうです。
なぜ,口笛はこれほどまでに響くのか考えていきたいと思います。

まず「音」というものは,音源が出している振動が空気を伝って鼓膜を振動させ,脳が「音」として認識したものです。
音源が高い振動を起こしているものほど音が高く,低い振動ほど音が低くなります。
この振動の逆数をとったものを周波数と言います。
周波数はラジオでおなじみの「Hz(ヘルツ)」という単位で表します。
口笛の周波数は人間にとって聞こえやすい範囲に含まれます。
聞こえやすい範囲に含まれる音の例として,「子どもの声」「笛の音」「チャイムの音」などが挙げられます。
これらの音は,大人の声や濁った音とは異なり,混ざり気のない澄んだ音且つ高い周波数をもつものであるため,遠くにいてもよく聞こえます。
音は周りの環境でも聞こえ方に変化があります。
アルプスの山をイメージしてください。
木が生い茂り,羊が歩き,小屋がある,あの情景です。
地上から高い位置にあるため,気圧は地上よりも低いですが,音は気圧に関係がないため,今回は無視します。
アルプスの山は非常に空気が澄んでいます。
そのため,空気中に漂っているゴミなどに音の振動が邪魔されることなく,広範囲に響き渡ります。
さらに,ビルや建物がないため,音が反響したりする条件が全くありません。
つまり,アルプスの山では遠くまで音がまっすぐ進むのです。
これらの理由から,ハ○ジの口笛は遠くまで聞こえるのです。
結果を言い換えましょう。
ハ○ジの口笛は山を下りれば遠くまで聞こえません。
口笛が遠くまで聞こえているのも,もしかしたら気のせいなのかもしれません。
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