そぅ、よちよちぺたぺたとゆっくり歩きますね。
よちよち歩くかわいいペンギンですが、実はペンギンの足は長いということをご存知でしたか?
今回はペンギンの不思議な骨格についてお話します。
よちよち歩くペンギンは、実は足が長いのです。
下の写真はペンギンの骨の標本です。
この写真を見ると、ペンギンの足は90°に曲がっていることがわかります。
曲がっているだけで、実際歩くときも立っているときも伸ばすことはありません。
人間でいえば中腰で歩いているのと同じです。
なぜこのような状態で生活しているのでしょう。
はるか昔、ペンギンは空を飛ぶ動物でした。
ところが、進化の過程で水中で餌を探すようになり、海中で魚よりも速く泳ぐ必要がありました。
そのため、水の抵抗をより受けないために、足を体に折りたたむ習性がつきました。
より速く泳ぐために、もっと折りたたむ…
これを繰り返していくうちに、ペンギンの足は体の中に折りこまれた骨格に進化しました。
ペンギンは海中でより早く泳げるようになるために、陸上生活で最も重要と思われる「足」を犠牲にしたのです。
さらに空を捨て、海で狩りをするようになったペンギンの「骨」にも鳥類には見られない進化が起こりました。
ペンギンの骨とトンビの骨を水に浮かべると、ペンギンの骨は水に沈みトンビの骨は水に浮くのです。
ペンギンの骨は骨密度が高く、水中で泳いでも浮力の影響を受けにくくなるということがわかります。
逆に、空を飛ぶトンビは体をできるだけ軽くする必要があるため、骨密度は小さいと考えられます。
このように、ペンギンはより水中で早く泳ぐために鳥類の特徴を犠牲にして進化していったと言われています。
ある種の鳥類は寒さに苦手であり、季節が変わると暖かい環境を求め大陸から大陸へ移動します。
それだけ寒さに弱い鳥類ですが、なぜペンギンは氷点下の海中でも平気で泳げるのでしょうか?
それはまた次回お話しします。
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