では、もし下のような写真の磁石を、ちょうど半分で真っ二つに切り落とした場合、残った磁石はどのようになるのでしょうか?
今回は「磁石」についてお話しします。
この磁石を真っ二つにすることで、赤色のN極と黒色のS極の二つになります。
やった、N極とS極を分離することができたー
…というわけにはいかないのが科学の醍醐味です。
二つに分かれた2本の磁石は、色は変わらず赤色と黒色ですが、それぞれまたN極とS極が発生します。
つまり、2本の磁石はN極同士で反発し合ったり、N極とS極で引き合ったりするのです。
では、磁石をハンマーで粉砕してみましょう。
さぁ、磁石は木端微塵
元々あった磁石は1mm単位に粉々になってしまいました。
それではかけらの磁石を拾ってどのような性質になっているのか見てみましょう。
すると…
あら不思議
その1つのかけらの中でN極とS極が存在するではありませんか。
先ほど半分にした「N極」と表示された赤色の物体を木端微塵にしても、ひとかけらにはN極とS極が存在するのです。
もっと言ってしまえば、磁石を分子レベルまで小さくしてもN極とS極が存在します。
ではN極もしくはS極のみの磁石は作ることはできないのでしょうか?
・・・
できないのです。
難しいお話をすると、原子核の周りを回転している電子によって作り出された磁場の向きによって、N極とS極が存在します。磁場の向きは右か左、上か下のように、常に反対を向いているため、2種類しか存在しません。
また、磁場が右方向に発生すると、右方向には押す力が発生しますが、同時に左方向は引く力をもちます。
そのため、磁場が発生するとN極とS極の2つが必ず存在します。
片方だけの極性をもつ磁石が生まれたとき、それは世界中の教科書が一斉に回収騒ぎになるでしょう。
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