液体窒素で消火活動ってできるの?少し考えてみた

冬になると空気が乾燥し、火事が多発しますね。
空気中の水分が多いほど火災の原因となる火の粉などが空気中で消えやすく、火事には至らないケースもありますが、冬はそうはいきません。

火事が起きた時に必要なのが「水」
多くの方人が「火に水をかければ消える」と知っていますが、なぜ消えるのかご存知ですか?
それは「水によって火元の酸素供給が失われて消える」、「火元の温度を下げることにより、熱の発生を防ぐ」
この2つの理由があるため、火が消えるのです。



では、水以外の液体では消火できないのでしょうか?
火に油は最悪ですね。さらに燃え盛ります。

そこで筆者が考えた液体は「液体窒素」
今回は液体窒素で火を消すことは可能なのか考えてみたいと思います。


まず、液体窒素についてご紹介します。
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〈ステータス〉
温度
約−196°C

粘性
0.02


恐ろしいくらい冷たい液体ですが、実は一瞬触っても大丈夫です。
手の温度はおよそ36.5度であり、窒素の沸点より遥かに高い温度です。そのため、一瞬触ってもすぐに気体になり、手が凍傷することはありません。
そのため、液体窒素は基本的には素手で扱います。
(筆者は軍手をつけて扱って、運悪く軍手に液体窒素がかかりました。すると、凍った軍手と皮膚がくっつき、凍傷しました)
さらに、粘性が非常に低く、サラサラな液体です。ちなみに水の粘性は20℃でおよそ1.0です。水は科学界でもかなり粘性が高い物質です。


さて、本題に入ります。

液体窒素が気体の窒素に変化するとき、周りの熱を吸収します。そのため、燃え盛る火はある程度収まるはずです。

次に、液体窒素が火元にかかった場合、33.7立方センチメートルの液体窒素が22.4リットルの気体に変わります。すると、周りの酸素が追いやられ、酸素供給ができなくなります。
そして、火は消えると考えられます。

燃焼の条件は3つです。
・火元が可燃性物質であること
・酸素が常に供給されること
・温度が高いこと

このうちの2つを消去できることから、液体窒素でも消火は可能ということがわかります。



しかし、実際液体窒素は管理が大変で、持ち運ぶための容器がなく不便です。さらに、空気中に放出された液体窒素の多くはすぐに気体に変化してしまい、火元になかなか届かないという欠点もあります。さらに、窒素で満ちた建物に人が入れば呼吸することができなく、死んでしまいます。

火を消すことに関して理論上は申し分ない液体窒素も、実用的かどうかといわれると、無理がありましたね。

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この記事へのコメント

  • 液体窒素によって空気中の酸素が凝縮され液体酸素という爆薬と化して爆発した事例もあるんやぞ。嘘記事書くな。
    2017年12月12日 05:29
  • この記事を即刻けせ。お前の誤った知識のせいで怪我する人を減らしたいんや。
    十七日午後三時二十分ごろ、横浜市緑区長津田町の東京工業大学すずかけ台キャンパスの実験室で爆発事故が起き、男子学生二人が顔や胸などにやけどを負った。病院に運ばれたが命に別条はないという。緑署で原因を調べている。

    調べでは、やけどしたのは同大大学院生命理工学研究科大学院生(24)と生命理工学部四年生(22)。

    爆発があったのはJ2総合研究棟の八階にある生物有機化学実験室。大学の説明によると、二人はDNAの研究中で、検体をビーカーに入れて保温する準備のため、鉄製器具にシリコンオイルを入れ加熱していた。発火したため液体窒素を注入したところ、突然爆発したという。
    2017年12月12日 05:48