ファインディングニモの父マーリンは生物学的におかしい?1部の魚の性別にはある特徴が…

2004年に長編アニメーションを受賞した「ファインディングニモ」に関するお話です。少し夢がなくなるかもしれないので、嫌だという方はご覧にならないことをお勧めします。

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内容を知らない方に少しあらすじをご紹介します。

舞台はオーストラリア・グレートバリアリーフの海。クマノミのマーリンは妻のコーラルといっしょに卵の世話をしながら、2日後の子供たちの誕生を楽しみにしていた。ところが突然オニカマスに襲われ、幸せな日常に終止符が打たれる。気を失っていて助かったマーリンが意識を取り戻すと、妻と卵たちは姿を消していた。だが、たったひとつだけ卵が残されていた。たった一匹残った子に、妻の遺志を尊重するべくニモと名付け、父マーリンは過保護に育てる。ニモは片方のヒレが小さく、あれこれと心配し過ぎるマーリンにニモはうんざりしていた。はじめて学校に行った日、ニモはひとりで船に近づいてゆき人間に捕らわれてしまう。ニモを取り戻すため、マーリンはナンヨウハギのドリーといっしょに旅を始める。
引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A2
(閲覧日時2015/12/16)


ここで着目していただきたいのは、「卵を守ろうとしてオニカマスに襲われて亡くなったコーラル」です。コーラルが亡くなったために、マーリンは1匹でニモを育てようとします。

しかし、ここで生物学的にありえないことが起こっています。
それは、父であるマーリンが「性転換」していないことです。
クマノミという魚は性転換する生き物なのです。



少しクマノミについて解説します。
クマノミは群の中で最も大きい魚がメスとなり、次に大きい魚がオスとなって、これら2匹がカップルになります。おそらく、遺伝子的に大きいもの同士が交配することで、より大きい魚になり、敵に狙われにくくするなど、種の減少を防いでいるのだと考えられます。そして、群の中の他の「クマノミ」は、メスにもオスにもならず、繁殖行動をしないようです。群の中の1番大きな魚(つまりメス)が死ぬと、2番目に大きなオスが、『性転換』してメスに変わり、3番目に大きな魚がオスになるという繰り返しが起こります。


つまり、マーリンはコーラルが死んだあとにメスとして生きていくはずなのです。
そして、ニモが生まれることによって2匹のクマノミは、数が少なくても群れをなすわけであって、結果としてその群れで一番大きな魚はマーリン、2番目に大きな魚はニモになります。

もうお分かりかもしれませんが、マーリンとニモの間には「カップル」という関係が成立するわけです。


このように性転換する魚は現在確認されているだけでも300種を超えています。
ニモでこのようなことが起こったらどのような物語になっていたのでしょう。。。

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