ロバ+ウマ=? 経済的に有用な雑種たち

ロバやウマは動物園でよく見かける生き物ですよね。
ロバは日本には野生でいませんが、寿命が長く、記憶力がいいので、昔からアフリカなどで家畜として重宝されてきました。
特にウマは戦国時代に移動手段として使われていたため、歴史の教科書などでよく見かける生き物です。
ところが紀元前3000年から1500年ごろにエジプトで彫刻されたのではないかと考えられる石版に、ロバでもなくウマでもない、でもどことなくどちらにも似てるような…
そんな生き物が描かれていました。

なんだ、この生き物は…
生物学者が様々な追及を重ねていった結果(たぶん)、雑種という概念にたどり着きました。

今回は生物の雑種についてお話ししようと思います。



雄ロバ+雌ウマ=ラバ
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雄ロバと雌ウマの雑種は「ラバ」と呼ばれ、現在では主にメキシコなどで家畜されています。
この「ラバ」は非常に家畜として優秀であり、体が丈夫で粗食に耐え、病気や害虫にも強く、足腰が強く脚力もあり、蹄が硬いため山道や悪路にも適す。睡眠も長く必要とせず、親の馬より学習能力が高く調教を行いやすい。とても経済的で頑健で利口な家畜である。
しかし、頑固な性格もあり、機嫌を損ねると全く動かなくなるという性格はロバの遺伝によるものと考えられている。

雄ウマと雌ロバの雑種は「ケッテイ」と呼ばれ、ケッテイも家畜として扱われているが、ラバの方が育てやすいためあまり見かけられない。


家畜としてこんなに素敵なラバならもっと交配させて増やせばいい!
と多くの人が考えるかもしれませんが、実はそうはいかないのです。

ラバは完全不妊の性質をもち、ラバ同士で交配しても子どもができません。
その原因の一つとして考えられるのが、ウマとロバの染色体数が異なるからだと考えられています。
どれだけ優秀なラバでも、子孫繁栄できないのであればなかなか難しいものですね。
それでもラバを家畜としたいために、牧場や農家では今でも雄ロバと雌ウマを飼育しているところがあるみたいです。


アヒル+マガモ=アイガモ
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日本でもなじみのある「アイガモ」も、アヒルとマガモの雑種です。
アイガモに関しては、両親の性別関係なく産まれるようです。
ちなみに、アヒルはマガモを品種改良した家禽品種であり、アヒルも生物学的にはマガモであるため、その交配であるアイガモもまたマガモであり、「マガモ」、「アヒル」、「アイガモ」という呼び変えは生物学的なものではなく、歴史的・伝統な慣例や認識によるものであり、または商業的な理由によるものだそうです。。

アヒルとマガモからアイガモという雑種を作った理由は、「合鴨肉」だと言われています。
昔中国から「北京ダック」という料理が日本に紹介されたとき、アヒルの肉が脂を多く含むことから日本人の口には合わなかったそうです。そのため、脂の少ないマガモと交配させることでちょうどよくなるのではないかと考え、アイガモが生まれました。

現在では、水田で害虫駆除のためにも使われるアイガモですが、稲のシーズンが終わるとみんな「合鴨肉」として食されるそうです。かわいそうに…




ブタ+イノシシ=イノブタ
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1970年に和歌山県畜産試験場では、雄のイノシシと雌のブタを交配させ、イノブタという雑種を発見しました。イノブタは食用の家畜として扱われており、雄は牙をもっています。イノシシ肉として代用されることがあり、日本でも食用として扱われている地域もあるようです。

このかわいらしいイノブタですが、現在福島県では、東日本大震災の影響で家畜用のブタが逃げ出し、野生のイノシシと交配することで大量発生して問題となっております。


いかがでしたか?
経済的に有用でないけどおもしろい雑種(例:オオクワガタ+コクワガタ=オオコクワ)もあり、生物の不思議はまだまだたくさんあります。
しかし、むやみやたらに交配させて雑種をつくるのもかわいそうなので、ほどほどにしたいところです。

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