水は最も身近にある、最も異常な物質!?水の異常な性質3選

のどが渇いたときに冷たい水を飲む…
寒い冬に温かいお茶を飲む…
当たり前のことですよね。
水は私たち人間にとって最も身近にある物質です。しかし、その水が科学の世界では異常な物質であることをご存知でしょうか。
今回は水の異常な性質について3つお話ししようと思います。

【1】沸点の高さ
 水の沸点は100℃であるのは小学校で学習します。そのため、ほとんどの人が水の沸点を知っていると思います。また、日常生活で使う液体は水と油くらいなので、100℃という数字は高いと認識している人が多いようです。
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ところが、科学の世界で用いる多くの液体は30℃~80℃(取り扱う研究テーマによってはエチレングリコールのように、沸点200℃のような液体も使います)です。

 水の沸点が高い原因の一つとして、水素結合が考えられます。水には他の物質にはあまり見られないような現象が起こっているため、それだけ高い沸点をもっているのです。
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【2】状態変化による密度の変化
 ものすごく寒い日に、外で1歩も動いてはいけないと言われた自分を想像してみてください。きっと猫背になり、手はポケットに入れたり、わきに挟んだり、身を固めて寒がると思います。
物質も同じで、寒いとそれだけ縮こまろうとするのです。そのため、液体でいるときよりも固体でいるときの方が体積は小さくなります。

 しかし、水をペットボトルにいっぱい入れて凍らせるとどうなるでしょう?経験ある方はわかると思いますが、ペットボトルは破裂しそうなくらいパンパンになります。つまり水よりも氷の方が体積が大きくなることがわかります。これは水が氷になると、水分子の配置が隙間のある構造となり、結果として体積が大きくなります。
※下の写真は液体(左)と固体(右)の時の水分子の配置をイメージした模型です。
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 他にも、水のように液体よりも固体の方が体積が大きくなる物質は「ケイ素」や「タングステン」などが挙げられます。


【3】様々な物質を溶かす
 料理をするうえで水は欠かせないものであります。煮物やご飯を炊くにも水は不可欠です。そして料理に必ず登場するのが調味料。私たちは水に様々な調味料を溶かして味をつけていきます。(そもそも溶けてくれなきゃあ料理は完成しませんが…)

 ここで考えてほしいのは、水は非常に多くの物質を溶かす性質があることです。先ほど述べた調味料の多くは「有機物」(加熱することで水と二酸化炭素を放出する物質)でできています。また、水酸化銅(Ⅱ)や塩化コバルト(Ⅲ)など、様々な金属も溶かすことが可能です。

 その原因の一つとして、水は極性が高いことが挙げられます。【1】でお話ししたように、水分子には水素結合という性質があります。水は水素(H)と酸素(O)から成ります。酸素は非常に電気陰性度が高く、水素から電子を吸引し、水分子自体でかなり極性が偏ります。その影響で多くの物質を溶かすことができるのです。


 いかがでしたか?
少し難しい内容もありましたが、普段我々が扱っている水は、科学の世界で見れば異常な性質をもつ物質であることを取り扱ってみました。もしこれを読んだ後に水を飲みに行くのであれば、少し意識してみるのもいいかもしれません。笑

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